2021年4月24日無生野から朝日山、二十六夜山周回

 


秋山二十六夜山から棚ノ入山への周回は3回ほど歩いた。棚ノ入山ではいつも向こうに見える朝日山に後ろ髪を引かれる思いで無生野へ下っていた。そんな未練もあるので私にとっては秋山郷の山と丹沢山塊はお互いに近くて遠い山である。今回はその心の未踏を結ぶ山行である。



無生野、なんか謂れのありそうな名前だ。部落の看板には無形文化財の「無生野の大念仏」が紹介されている。霊験漂う雰囲気だ。無生野は秋山郷の最深部である。今日は街道から林道に入り車をデポし、そのまま沢沿いを遡る。林道歩きのどん詰まりの沢に赤テープが賑やかに枝を飾っている。だれでもそこがとりつき点であることが判る。赤テープの他に「直登コース」と名打った白いA4判のラミネート案内もある。これは地元の人たちが付けたのだろう。赤テープは「山と高原地図」「登山詳細図」に記されているルート、白のA4判は地図には記されていない地元の人が新たに設定したルート案内だ。今回は A4判を頼りに登ってみることにした。このルートは初めてだ。登ってすぐに赤テープとA4ルートとが分かれる。A4ルートのほうが踏み跡もしっかりついているので歩きやすい。急登を30分ほど登り最後は鹿柵沿いによじ登ると尾根筋に達した。

        A4に導かれ

尾根に登り切ったところにある境界石


サンショ平への尾根筋より見下ろす。
今回は右側白いA4の案内版から登ってきた。
サンショ平から尾根を下降するときはここが分岐点だ。
(鹿柵が目印になる)


この尾根筋を登ると登山道に合流する。まずはその合流点(サンショ平)を目指す。がそこに至る尾根筋も急登だ。灌木帯なので見通しはいい。足元は腐葉土が重なっているのでズリズリと滑り落ちることはない。やがて登山道に到着。ここがサンショ平だ。いつもあの朝日山を見て、後ろ髪をひかれる思いで下りたポイントだ。今日も木々の間から朝日山が見える。さあ今日はその心残りを成就させるのだ。

サンショ平より朝日山を見上げる


サンショ平の道標。道標方向には記されていない右手の尾根筋より上り詰めた。

崩落ヶ所注意


小休止の後、いよいよ本日の精神的核心部へと足を踏み入れる。崩落地をクリアし、小さなピークを越え、遅咲きのスミレを愛で、最後の急登を登ると唐松に囲まれた朝日山に到達。道志側から何回も来た見慣れた山頂だ。しかし今日は新たな感慨がこみ上げてくる。私の心の中の未踏が成就した瞬間だ。山頂は誰もいない。静寂の山頂に喜びの声がこだまする。




帰りは朝日山からいったんサンショ平に戻り秋山二十六夜山を回った。いつも息せき切って登った棚ノ入山への登りを今日は下る。やはりここは長い急登だと実感する。下りきったところで秋山山稜の山々を見ながらランチ。そして二十六夜山へと歩くと本日初めてのハイカーと会った。目と目で挨拶をしてすれ違う。

秋山山稜を眺めながらランチ



何回もきたことのある秋山二十六夜山




代念仏の謂れ


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