2021年5月29日菜畑山から今倉山

 



今日もまた道志未踏ルート歩きだ。今回は菜畑山から今倉山を歩く。ここを歩くと綱子から今倉山経由で御正体山、山伏峠、石割山、高指山と軌跡がつながることになる。

今回も車でアクセス。せっかく車で来たのだから林道に入り菜畑山の山頂直下まで車で行けばいいのを律儀に413号線道志村役場の駐車場から歩くことにした。誰も褒めてはくれない拘りを自嘲しながらアスファルト道を登山口まで歩く。

奥が菜畑山

加入道山


菜畑山へはこれで3回目だ。見慣れた登山道を今日は風景を楽しみながら歩くことにしよう。日の差し込まない暗く湿った杉林でも生命の営みを感じることができる。苔むした岩や幹、白く輝くウツギ。やがて道は杉林を抜け植林帯となり尾根筋にでる。ここからは展望を楽しめる。山間に細々と続く道志の里、対面に屹立する加入道山。横に連なる甲相国境尾根。やがて頂上直下の林道終点に。Gパンの中年男が原付バイクを停めていた。いかにもダート用のタイヤを付けている。少し会話を交わしたがこうして林道を走らせて回るのが趣味みたいだ。いろんな人がいるものだ。

苔むした暗い杉林
道志の里を見下ろす

ここからは山頂へ直登だ。今日は軽い靴で来た。その効果を感じながら見慣れた菜畑山に到着。目を今倉山の方にやると富士山が霞の中に姿を映し出していた。久しぶりの富士との対面だ。思わず歓声を発す。小休止のあとスタートすると下方より男が一人登ってくる。「こんちは」と声をかけると驚いた様子。その顔を見ると友人のオカザキにそっくりだった。

久しぶりの富士山と対面

菜畑山の尾根道に上り詰めた

さあここからは今日の核心部だ。情報によるとそんなに危険個所はないようだ。広葉樹林の続く尾根道だ。木々の間から透けて見える小ピークを地図で確認しながら歩く。あまり変化のない山道だ。根気よくアップダウンを繰り返し2時間ほどで最後の登りとなる。やがて見覚えのある今倉山が目前に。前回今倉山に登った時に菜畑山への思いをはせて見下ろした尾根を今日は登ってきたのだ。ここを登れば綱子から山中湖まで軌跡がつながることになる。やがて感動の一瞬、誰もいない今倉山の山頂に上り詰める。キツツキのドラミングが私を祝ってくれた。一人静かな山頂でランチを食することにする。倒木に腰掛けると虫の音も聞こえてきた。山の季節の移ろいは早い。

鹿?



小ピークも緑に包まれて展望はない

今倉山

ランチを終えると菜畑山で声をかけた男が上ってきた。背が高く、白い口髭、しゃれた眼鏡、まるで友人のオカザキをコピーしたような男だ。会話を交わすとぼそぼそと控えめだが思いを込めて多くを語るところもそっくりだ。彼も今日のような人の少ない山を好んで歩いているとのこと。今日はこのまま都留のほうまで歩くとのこと。



兵庫にいるオカザキとは一昨日もメールでやり取りした。元気なことはわかっている。だからこれは怪談ではない。久しぶりのオカザキとの対面だった。達成感と友人との再会の喜びを胸に帰りはビデオの逆回しのように来た道を戻る。道志の街道に下りたのは16時。想像以上に長丁場だった。最後のアスファルト歩きの途中、土日限定で営業している産直店に立ち寄る。土地の野菜、山菜、大根メシ、炊き込みご飯、おいしそうなものが並んでいる。今日は「やしゃーめし」という郷土料理を買った。店前に広い駐車場があるので駐車してもいいかと聞くと「どうぞどうぞ」との気持ちのいい返事。こういう気前のよさに私は弱い。これからもここで買い物をしようと誓い車をデポした役場へと向かう。街道沿いに流れる道志川の清流も私の歩みと同じ方向に流れていく。その流れを見ながら今日一日を思い返す。今日も一期一会の一日だった。それから軽い登山靴にも感謝。











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