御正体山へ
道志エリア未踏破ルート塗りつぶしの一環で今日は道坂峠から御正体山を目指す。だいぶ以前にこのルートをキノコ探しで歩き途中で引き返したことがある。その時のリベンジも込めた歩きだ。御正体山へは今年の4月に山伏峠から登った。その時の山行で御正体山へのイメージは「木々に囲まれた展望のない山」から「原生林に囲まれた自然豊かな山頂」に変わった。今日の御正体山が楽しみだ。
8時30分、登山口の道坂峠に到着。すでに4台ほどの車が停まっている。この登山口からは今倉山か御正体山に登れる。勝手知った道をまず尾根までいっきに登る。尾根を左にいけば今倉山、右に行けば御正体山だ。この合流点に達した時なんと今倉山方面から下ってきたハイカーがいた。聞くと今倉山から菜畑山まで行ってきたとのこと。軽いザックでさっそうと歩いていた。いまの季節はこのような支度で歩くのが合理的なのかもしれない。
|
道坂隧道に車をデポ |
尾根を歩く
今日の天気は予報に反して朝から小雨混じりの曇りだ。並行して走っている甲相国境尾根も霞んで見える。気温も低い。最初は低木の原生林の中を歩く。時折前回歩いたときの記憶が蘇る。最初の大きなピークである岩下ノ頭を過ぎると霞のなかに御正体山の影が見えた。小さなアップダウンを繰り返しやがて道志方面からの御正体橋ルートとの合流点に達す。
|
モミジガサ、香ばしくておいしい |
|
岩下ノ丸三角点 |
|
甲相国境尾根、左端のピークが菰釣山 |
|
前方に御正体山 |
急登
この合流点は実質的に御正体山への取り付き点となる。ここから急登が始まる。御正体山は周辺のどの山からもその姿はよく見える。高尾エリアから丹沢方面の山脈を見ると左端に大室山、右端に御正体山がよく判る。そのピークへの斜面をこれから登るのだ。この部分のコースタイムは手元の地図でも登り55分、下り35分となっている。こんなに登りと下りに差があるところも珍しい。急登へ覚悟を決めて登り始めた。しかし足元を見るだけの単調な急登は気が滅入る。はるか後方にいた若者は息切れした老人をいっきに追い越していく。残酷なほどに体力の差を見せつけられる。いっきにペースダウン。やがて淡い赤色の東国ミツバツツジの花が見えてきた。登山道にちりばめられた落花に慰められ歩いていると敗北感も薄らいできた。山頂手前、急登も終わりなだらかな傾斜になる。そこは緑のバイケイソウが水面一面に広がっている。その水面に立つ新緑の木々。ところどころに淡い赤色のミツバツツジ。幻想の山頂。時刻はちょうど12時。誰もいない。
|
御正体橋からの合流点 |
|
登山道を飾るミツバツツジの落花 |
|
山頂を囲むバイケイソウの海
|
山頂は神秘の世界
山は季節とアクセスによりこのように異なるものか。今日の御正体山は緑の幻想の世界だ。御正体という宗教的な名前の山に相応しい。広い山頂でベンチに腰掛け一人ランチをとる。ときおりツツドリのホーホーという囀りが神秘の世界を演出する。そして汗冷えが体を包みはじめた。どうも居心地が悪くなってきた。復路につくことにする。下りはブナの大木や「九合目」などと書かれた石柱を楽しみながら歩いた。しかしせっかく富士の近くまで来たのに今日は富士を見ることがなかった。もともと御正体山が立ちはだかるために見えないのかそれとも靄のせいなのか不明だ。またこのコースは展望のない尾根歩きが続くのでピストンした場合は復路が単調でつまらない。できれば山頂からそのまま富士を愛でながら山伏峠方面へと歩いて行きたいものだ。日帰りもよし一泊して三国山を登るのもよし。次回のテーマとする。
|
原生林に咲くミツバツツジ |
|
誰もいない山頂 |
|
今年4月半ばの山頂 |
|
霞のなかにブナの老木が立つ |
|
「九合目」石柱 |
0 件のコメント:
コメントを投稿